タイコーアーキテクトのモデルハウス-House of Architect、LIFE、Room-

先日、タイコーアーキテクト様のショールームを見学させていただきました。
株式会社タイコーアーキテクトは
大阪・京都・神戸で「強くて快適でちょっとかっこいい家づくり」をコンセプトに
3つの哲学「パッシブデザイン・ロングライフ・フィット」を掲げて
省エネで高品質なワンランク上のデザイン住宅をご提案されています。
重量木骨の家プレミアムパートナーとして
耐震構法SE構法に取り組む、TOAHOMEの大先輩の会社です。
タイコーアーキテクト | 大阪のSE構法とパッシブデザインの注文住宅
今回はSE構法で建てられた3棟のモデルハウスを見学させていただきました。
まず1棟目は、「House of Architect」。
タイコーアーキテクトの設計士、前田良様の自邸「緑を感じる都市型パッシブZEH住宅」を
前田様自ら解説していただきながら見学させていただきました。
建築地は大阪・神戸のベッドタウンとなっている20万人都市の伊丹市の住宅街。
敷地の西側は駐車場になっています。
家の中から通行人と視線が合わないよう、壁を立ち上げることでプライバシーを確保しています。
ガルバリウム鋼板の鎧張りがかっこいいファサード。
足元に植えられた緑に癒されながら玄関へ。
1階ホールに入ると、
壁で囲まれた中庭を望む豊かな空間が広がっています。
閉じた外観からは想像できないくらい明るくて驚きです。
中庭に面した和室。塗り壁の陰影が美しい空間です。
2階のLDKへ。
2階にLDKを配置することで、明るくあたたかい陽射しが入り、
昼間は照明いらずの空間に。
外付けブラインドによって日射を調整できるので、夏でも快適に過ごせます。
こだわりが詰まったキッチンはタカラスタンダードのもの。
キッチンと背面収納をグレージュで統一した、すっきりと上品なコーディネート。
テレビボード背面には蓄熱体として水の層が施工されているそう。
調湿効果のあるエコカラットを貼り、見た目にも美しく。
洗面は外壁に面していないので、室内窓を階段ホールに向かって設置。
窓から入った光をできるだけ奥に導く「導光」がなされています。
延床面積36坪とは思えないくらい広く感じた「House of Architect」。
視線の抜ける工夫、余白の取り方が秀逸で、それでいて無駄のない間取り。
とても勉強になる、まさに都市型パッシブのお手本の住宅でした。
前田様、素敵な自邸を見せていただき、ありがとうございました。
2棟目は、「Vision House LIFE」。
東大阪市に建築されたタイコーアーキテクトの新モデルハウスです。
パッシブデザインによる高断熱高気密住宅(UA値0.26、Q値0.83、C値0.4)として、
年間を通じて壁掛けエアコン1台で快適な温度環境を維持でき、
さらに太陽光パネルを搭載してCO2収支をマイナスにできるLCCM住宅となっています。
約38坪のシンプルな立方体。西側の道路面には窓がなく、すっきりとした外観。
玄関ドアを開けると直接LDKにつながっています。
全面カーペット敷きで、家に入った瞬間、とても落ち着きます。
SE構法らしい大空間・大開口が広がる、豊かなLDK。
1階LDKの家ですが、高い位置から陽の光を落とし込むために、
通常の天井高(2.4m)よりも1.4m高い「1.5階LDK」となっています。
南面はプライバシーを確保する壁を立ち上げています。
壁がピンクなのは、バラガンの建築からインスピレーションを受け、
桜の見立てとして日本の美意識を再表現したとのこと。
コーディネートかっこよすぎます。。
構造材は奈良県産ヒノキを使用し、
LDKの中央には全ての階を貫く八角柱があり、自然を感じられます。
アートに見立てた銅板のパネル。和の趣が感じられて素敵です。
錆鉄模様のセラミック造作テーブルも良い味を出しています。
造作洗面台は、足元の地窓からやわらかい光が入ってきています。
グレーの塗装が美しい階段を2階へ。
2階のホールは、将来間仕切りを設けたら子供部屋として使用できるそう。
無垢フローリングと間接照明が温かみのある空間を演出。
2階の床レベルから少し浮かせたフリースペースへ。
腰壁で囲っているため、一体感は残しつつもクローズドな、遊び心のあるスペースに。
都市型の暮らしの中で、人と自然と建築が共存する「Vision House LIFE」。
進化し続けるタイコーアーキテクトの「今」がぎゅっと詰まっていながら、
普遍的で和の趣も感じられる、こだわり抜かれたモデルハウスでした。
3棟目は、「Room」。
閑静な住宅街の中に佇むタイコーアーキテクトの体験型ショールーム「Room」。
密集した都市部である東大阪市の住宅街に佇んでいます。
現在は問題なく南面の日射を得ることのできる敷地ですが、
将来南側の隣地に3階建の建物が建つことも想定して、
2階の一部を高天井とし、高窓とトップライトから太陽の光と熱を取り入れる計画になっています。
里山をイメージしたという植栽が素敵なアプローチ。
見学したのが夕方ですっかり暗くなってしまっていますが、
昼間は陽当たりの良い2階LDK。
天井高さに変化を持たせることで、メリハリのある空間に。
LDKと隣接して、外部仕上げのサンルーム「room」が設けられています。
サンルームは家の外としても中としても使えるよう、防水処理をしているそう。
植物の世話やBBQなど、天気を気にすることなく楽しめます。
約4mの天井高さがあるダイニング。
南面には高窓が設けてあり、太陽の光と熱を取り込みます。
キッチンカウンターは味のあるモールテックス仕上げでカフェのような雰囲気。
キッチンからはダイニングとサンルームが目に入り、心地よく調理できそうです。
洗面もグレートーンでモダンに統一されています。
密集した都市部でのタイコーアーキテクト流パッシブモダン住宅「Room」。
延床面積35坪ながら、アウトドアリビング、一段床を下げたリビング、
高天井のダイニングなど、空間を立体的に感じる工夫が施された上質なモデルハウスでした。
見せていただいた3棟とも、とても参考になるモデルハウスで、
TOAHOME設計部一同、感動しっぱなしでした。。
タイコーアーキテクトの皆様、
貴重な機会をいただき、ありがとうございました。